卑怯者の告白



 8才の秋。
 阿含は雲水とあたまを並べて、床の間に鎮座する小さなガラスケースを覗きこんだ。ところどころが錆びた古いゴーグル。曾祖父が遺したものである。戦争中は空軍で戦闘機のパイロットをしていたという。そのとき実際に使っていたゴーグルだ。
「かっこいいね」
「うん」
 阿含がフタをあけようとしたら、その手を雲水がペシッとひっぱたいた。
「なんだよ、いてーな」
「触っちゃいけないから、この中に入ってるんだよ」
 下唇をつきだして睨みつけてやっても双子の兄は一歩もひかない構えである。ガラスケースよりもむしろ、隣にたたずむガラス製のトロフィーの安全を気にしているようだった。まったく心外である。たしかに阿含はよく物を壊すが、それは壊したいと思ったからで、その気のないものまでうっかりミスで傷つけるほど粗忽な子供ではない。雲水自身がそういう事故をたまに起こすから弟も同じだと考えているのだろう。
「ふたりとも、いらっしゃい。柿を剥いたから」
「「はーい」」
 ふり返ると着物姿の曾祖母が皺だらけの手で座卓に皿を並べている。阿含と雲水は素直に床の間から離れ、みずみずしいオレンジ色の果実を我先にと口に入れた。
 同じ敷地の違う棟に住んでいる曾祖母のところへは、よく遊びにいった。彼女は、いわゆる“男の理屈”を理解するタイプだ。死んだ旦那のことを話すときも戦争で勇敢に戦って死んだことを誇らしそうにするばかりで、人を殺すのはよくないとか二度と戦争をしてはいけないとか、曾祖父を褒めるのに必要ない側面には一切ふれないのである。もちろん話す相手は選んでいるが、戦いの美学というものを知っている人だった。形見のゴーグルと一緒に飾ってあるガラスのトロフィーは、曾祖母自身が囲碁だか将棋だかの大会で優勝したときの戦利品らしい。阿含がケンカで友人にケガをさせたときも、もちろん叱られたが、それとはべつに勝ったこと自体は評価してくれたりする。親類のなかで話すのが不快じゃない数少ない相手だった。
 雲水が曾祖母のほうに半身をのりだす。
「ひいおばあちゃん、こないだ学校の体育でドッジボールやったんだ」
「おや。どうだったね」
「負けちゃった。でも相手がズルイんだよ、だってさ……」
 唯一の不満は、雲水が彼女のことを大好きだという事実である。双子の片割れと曾祖母を天秤にかけたら、片割れのほうが重要に決まっている。いまだって雲水が柿をほおばりながら絶え間なく話しかけ、今度はどうやって戦うつもりかを述べながらそれはそれは楽しそうにしているのが、気に障って仕方ないのだ。
「おれも体育でサッカーしてさ」
 話が佳境にさしかかっている辺りで横入りしてやる。兄は人の話をきける素直な性質だから、すぐに阿含の言葉をきく姿勢になった。年齢のわりに口も回るし要領のいい自分なら雲水より曾祖母の興味をひきつけるのも不可能ではない。そもそも彼女は癖の強い性格の阿含のほうを好んでいるのだろうと子供心にも感じとれるのだ。だから阿含は雲水に対して「おれもひいばあさんが好きだし雲水よりも仲良くしてるから邪魔しないでほしい」というポーズをとって遠慮させ、兄が曾祖母に過剰に近づかないようにしているのだった。
「ゴーグルほしーなー」
「阿含、わがままいうんじゃない」
 曾祖母の表情をうかがう。さすがに快諾してくれるような頼みではなかったらしい。
「そうねぇ、考えておくけど」
「いいよもう! 雲水、帰ろうぜ」
 兄の腕を強引にひいて縁側に向かう。そこからこの離れにあがりこんだのだ。阿含がさっさと靴を履きはじめると雲水も曾祖母に「ごちそうさまでした」といい、仕方ないなって顔で同じように身支度する。
「いつでもいらっしゃいね」
 ゆらゆらと手をふる曾祖母に、雲水も手をふり返した。阿含は前を向いたまま足を速めた。


 いくつも割れた植木鉢を前にして、雲水は途方に暮れる。プラスチックの刀を打ち合わせてのチャンバラに熱中していたときは気がつかなかったが、小学生の男の子がふたり家で暴れまくったら当然こういうことにもなるだろう。しかも戦場は移動するものであり、子供部屋から始まって居間や客間や台所を蹂躙し、庭に飛びだして曾祖母のいる離れにまで突入していったのだ。両親は留守だったため止める者がいなかったのも被害を拡大させた。雲水と阿含はスタミナ切れで動けなくなるまで遊べて非常に楽しく満足したのだが、こうやって叱られて片づける段階になると、どこから手をつけたらいいのかもわからない。
「どうしよう阿含。これまだ大丈夫かな」
「あー?」
 完全に割れているものはともかく端が欠けたりヒビが入っただけの植木鉢を元あった棚に戻していいのか、それともゴミとして処分するべきなのか、雲水には判断できなかった。キョロキョロと大人の姿を探す。ふて腐れていた阿含がいきなり棚の土台を蹴りつけてひっくり返した。
「なにすんだ、馬鹿!」
 無事だった植木鉢も中途半端な植木鉢もほぼ全てが致命傷を負う。すぐさま物音をききつけてやってきた母親がすごい形相で怒鳴りはじめた。阿含が走って逃げだす。行く先々で破壊音が連続して響いてくる。どうやら弟は八つ当たりモードに入ったようだ。まだまだ暴れられるその体力に感心したくなった。
 ため息をついていたら、視界の隅を淡い暖色が横切った。庭の植え込みの陰を茶色のトラ猫が歩いている。たまにみかける猫だ。毛並みが清潔だからどこかの飼い猫ではないかと思うが、あまり人懐こくはなく、何気なく近づいても必ず3メートル以上の距離をあけられてしまう。
「ネコー、おいでおいで」
 あきらめきれなくて後をついていったら、猫は離れの縁側から座敷にあがり、中に入っていってしまった。さすがにこれは追い払わなければならないだろう。雲水は猫から目を離さないまま縁側に腰かけて靴を脱ごうとする。猫は座卓の下を通過し、小さな円筒形のゴミ箱に身体をこすりつけ、床の間のガラスケースの角にも顔を何度もすりつけた。そしてガラスのトロフィーに軽く頭突きする。
「あ……!」
 カシャン、と繊細な音がして、トロフィーが倒れた。割れたに違いない音だ。昔のものだから最近のように強化ガラスで作られたトロフィーではないと曾祖母が言っていたのを思いだす。だから気をつけていたのに。猫は倒れたときの音に驚いて飛びあがり、猛ダッシュで雲水の横をすり抜けて庭に逃げた。反射的にその後を追いかける。もちろんすぐに見失ってしまった。雲水は池のほとりに立ち尽くし、猫が消えた方向と曾祖母の離れとに視線を往復させる。池の歪んだ円形の水面には、頬に絆創膏を貼りつけた坊主頭の少年がオロオロと狼狽えるさまが映っていた。それに気づいて少し我に返る。
「阿含、まちなさい!」
 母親の声に雲水はビクリと身を震わせた。遠くから激しい足音が近づいてきて、弟が庭の植え込みの隙間から外に逃げていくのが見えた。夕食の時間になれば戻ってくるだろう。
「あーもう!」
「お母さん」
「片づけはあの子が帰ってからにしましょう、あんたにだけやらせるのもなんだし」
 母親は離れの縁側のガラス戸が開いているのに気づき、「おばあさん、いないんですか」といいながらサンダルを脱いで中に入っていく。すぐに床の間でトロフィーが割れているのがわかったようだ。
「お母さん。それ」
「阿含ったら、ちゃんと謝らせないと」
 弟が壊したと誤解されている。違うんだと言おうとしているのに、母親は雲水には意識を向けず、忙しそうにしながら母屋のほうに歩いていってしまった。雲水はもう一度、猫が消えたほうを眺めた。

 夕食後は主に阿含への説教タイムだった。雲水は子供部屋にいるようにいわれたが、廊下など共有部分を片づけていた。やがて全身で不満を表明しながら弟が戻ってくる。泣きはらして腫れぼったい顔になり、しかも父親にビンタされたらしく、頬が片方だけ赤かった。雲水も一緒に子供部屋に入る。
「けっ。やってないっつーの」
 阿含はベッドに身を投げだし、ふて寝する体勢になった。こうやって叱られたときの阿含の反論はだいたい「知らねーよ」と「やってねーよ」だ。両親はどちらも同じだと思っているようだが、「知らねーよ」のほうは「やったけど謝る気はない」という意味だと雲水は知っている。
「雲水、ホントなんだぜ」
 弟の視線を感じて雲水は顔を伏せ、無言でうなずいた。阿含が上半身を起こしたのがわかる。手招きしている。逡巡してから近づくと、遠慮のないちからで抱きついてきた。
「おまえだけだ信じてくれるの」
 反応を返せない。弟は構わずに言葉をつづける。
「雲水がわかってくれるんなら、いいや」
 しめつけるちからが緩くなり、阿含が身体を離してこちらを覗きこもうとする。雲水は弟の背中に腕をまわしてその小さな肩に顔を埋めた。
 翌朝、登校するまえに両親は阿含を離れに連れていき、頑として抵抗する弟のあたまを無理やり下げさせて謝罪という形を作る。曾祖母は怒ってないようだった。話は済んだとばかりに阿含は母屋へと去っていった。両親もそれにつづく。ひとり残った雲水は、曾祖母に「ごめんなさい」といった。
「おまえが謝ることはないよ。阿含ときたら……“やってない”は男らしくないわね」
 彼女も「知らねーよ」の意味をちゃんとわかっていた。こういうところが好きなのだ。これで曾祖母の阿含への接し方は変わるだろうか。
 そこまで考えて、ようやく雲水はなぜ自分が濡れ衣をはらしてやらなかったのかを理解する。曾祖母も弟もどちらも大切な存在だ。彼らが仲良くしていると自分だけがのけ者にされて、ふたつのものを一気に失ったように感じていた。雲水はこの結果を望んでいたのである。
「時間は大丈夫なの?」
「あ、」
 学校に遅れてしまう。慌ててあたまを下げて、庭を走り抜けた。

 それから数年後。曾祖母は病気がちになり、雲水と阿含が中学校に通いはじめた頃にはついに長期入院することが決まった。雲水も幼いときほど頻繁に離れに行くことはさすがになくなっていたが、定期的に顔をみせて学校での様子を報告している。入院の荷造りを手伝うために雲水が訪ねると、曾祖母は快く招き入れてくれた。とはいえ着替えや下着類に触るのは気がひけるし、食器や洗面道具などを用意したら、もうできることがなくなってしまう。手持ちぶさたに部屋をみまわし、久しぶりに床の間のまえに座った。
 形見のゴーグルは変わらない姿でそこに佇んでいる。
「雲水、まだそういうの興味ある?」
 ふり返ると、布団に臥せる曾祖母が顔をこちらに向けている。雲水はゴーグルに視線を戻した。幼い頃に比べれば色褪せて見えるが、これは造りよりも戦争で使われていたという来歴に魅力があるものだから、ゴーグルに対する自分の気持ちに変化はない。そう告げた。曾祖母は微笑を浮かべる。
「よかったら、もらってほしいのよ」
 雲水は驚いてまた彼女のほうをふり返った。
「でもこれ、」
「私の友だちでね、足を折ってしばらく寝たきりの入院生活を送ったら一気にボケちゃって家族の顔もわからなくなった人がいるの。私も年だし、そうなる前にと思って」
 どうやらもうこの家に帰ってこれないかもしれないという覚悟を決めてしまっているようだ。そういうとき曾祖母になにをいっても無駄なのは知っている。雲水は視線をさまよわせた。
「弟がほしがるかもしれないし、きいてみてから」
「阿含は相変わらず外で遊んでばっかりなのかい?」
「……今日も夜遅いのにまだ帰ってないです」
「まあしょうがないね、ああいう子は」
 曾祖母は少し愉快そうにくつくつと笑った。胸の痛みに耐えきれず雲水は立ちあがり、挨拶もそこそこに退出する。暗い庭を歩きながら携帯をひらいて着信履歴のいちばん上にかけた。
『そろそろ帰るって』
 こちらがなにかいうより先に弟の不機嫌そうな声がきこえてくる。
「いまどこにいるんだ」
『コンビニ』
「どこの」
『家からいちばん近いとこだよ』
「迎えにいく」
 一方的に告げて通話を切った。子供の頃よく出入り口として利用した植え込みの隙間はすっかり狭くなっていた。もう少し身体が大きくなったら通れなくなるだろう。コンビニにいるという言葉は嘘かもしれないと思ったが、べつに構わなかった。慣れた道をたどって明るすぎる駐車場から店内を一望すると、雑誌を立ち読みする弟の姿があった。だれかと一緒ではないようだ。なんとなく突っ立って見つめていたら、阿含のほうがこちらに気づいてコンビニから出てきてくれる。
「珍しいじゃん、マジメなお兄ちゃんがこんな時間にお外にでるなんて」
「うん」
 弟の口元には嫌な笑いが浮かんでいたが、携帯で話したときの不機嫌さは消えている。すべてを話して楽になりたかった。人気のない道路をふたりで歩く。家までは五分もかからない。雲水は口をひらいた。


 マンガ雑誌から目をあげたら双子の兄が思いつめた顔でガラス越しにこちらを睨んでいた。出口に向かいながらレジ奥の壁にかかった時計を確認したが、ふだんに比べて遅いわけではない。わざとからかうような言い方をしても怒らないし、店から離れてもしばらく無言だし、阿含は本気で心配になった。
「なあ雲水、コンビニに用があったんじゃねえの」
 沈黙に耐えられなくて適当に会話を繋ぐ。こんなふうに気を遣いたくなる相手はこの兄だけで、優しくするのも慣れてないもんだから、どうも逆効果になっているような気がする。
「阿含……」
「んー?」
「言わなきゃならないことがあるんだ」
 あまりにも深刻な口ぶりなので阿含も少し身構える。しかしその内容は、けっこうどうでもいいようなことだった。何年前の話だ。思いだすのに多少の時間を要したくらいである。そんな阿含の困惑になど気づかずに雲水の唇は陳謝の言葉を紡ぎつづける。それから話は現代に至り、曾祖父の形見について告げられた。
「おまえがもらうのがいいと思う」
「……そりゃほしいけどよ」
「じゃあ!」
 やっと片割れがこちらの顔をまともに見た。そこに浮かぶ表情から、ようやく彼がなにを必要としているのか理解する。許してもらいたいのではなく、罰してほしいのだ。そうでもしなければ雲水のなかでこの件にケリをつけることができないのだろう。その切迫した様子から兄が本当に何年ものあいだ罪の意識に苦しめられているのがわかった。似たような問題をたくさん起こしてきた阿含にとっては些細な出来事だったから正直そこまで悩まれても困るのだが、もしここで解決できなければ雲水は死ぬまで負い目を背負っていく可能性もあるのだと気づき、背筋がぞくりと震えた。……恐怖ではなく興奮でだ。
 阿含は顔の表面に邪気のない微笑みを貼りつける。
「おまえもずっとほしがってたじゃん。おれはいいよ、昔のことなんか気にしねえし」
 雲水の瞳が絶望に染まっていくのを阿含は穏やかな気持ちで眺めた。
「あっ、そんじゃさ、どうせ同じ部屋なんだから真ん中へんに飾ればいんじゃね? タンスの上とか」
 部屋のどこにいても目に入る場所だ。自室にいるだけで弟への罪悪感を思いだすことになるだろう。雲水の目が伏せられた。唇を何度か動かしているが言葉はでてこないらしい。そして結局、ちからのない声で「ありがとう」と呟いた。阿含は我慢できなくなって子供の頃のように片割れを抱きしめる。ゴーグルなどとは比べものにならない一番ほしかったものが、向こうから手の中に飛びこんできてくれたのだ。これで一生こいつは自分のものだ。笑いだしたいのをこらえるのが大変だった。
「入院したら、ふたりで見舞いにいこうぜ」
 阿含が一緒のときに曾祖母と顔を合わせたくはないだろうに、雲水は黙ってうなずいた。もう弟の頼みを断ることはないはずだ。阿含は兄の背中を優しく優しく撫でさする。
「おれ、ひいばあさんは嫌いじゃねえよ」
「……そうだね」
 耳元できこえる雲水の声は少し凍えていたけれど、涙を流してはいなかった。街灯の光に照らされた兄の身体はなぜだかとても小さく見えた。



 リベェェェンジ!
 キリリクでございます。「阿含か雲水が秘密を持つ話」か「阿含が嬉し泣きする話」か「高校生雲水の性格が一時的に変わる話」の三択でした。
 16才以上の方だけ読める本編でリクエスト内容をきちんと消化できなかったため、こちらでリベンジしてみよう、という企画です。「阿含か雲水が秘密を持つ話」、雲水バージョンで課題をクリアしようとしたんですけど、なんか“秘密”というより“嘘”ですよねコレ。リベンジは不発に終わった気もします。

 桑原さま、素敵なリクエストをありがとうございました。かなり楽しく書かせていただきました。よければお持ち帰りください。お気に召せばいいのですが……。

 年齢制限をつけたので「展示」での公開は年内までとし、来年からは隠し部屋に置くつもりです。こちらのほうだけ表に残そうかと思っています。




●メルフォ or 拍手コメントへのお返事
>独占欲の発露の方向や得られる満足感やら
 阿含のアレっぷりを描くために比較対象としてまず雲水を描いたら見せ場は阿含のはずなのに雲水ばかりが印象に残るという、そういうSSでした……。直接的な暴力描写とか抜きで阿含の悪?な性格を描けないかといつも考えています。どうでしょうね。
 ※いちど「返信」のほうに書いたんですけど、こちらに移動しました。

>桑原さま
 この話は一応「まだ子供です」な方が対象なので、その年代だとより共感しやすいような心情を描くように努めました。雲水のやったことは小さなことなんですが、子供の頃は自分のことを大げさに受けとめてしまいがちですし、あとマジメで思いつめやすい性格ってことで。曾祖母がゴーグルを「ふたりにあげる」もしくは「どちらかにあげる」といえばよかったんですけど、「雲水に」と名指ししてしまったため、自分の嘘がまだ彼女の心に深い影響を与え続けているような気になってしまったという……ここで説明するのも情けないですな……。あの曾祖母さんは様々なナーガサイトさまを巡るとたまにいらっしゃる阿含スキーさんたちの気質をデフォルメしたような感じです(笑)。攻っぽくてカッコイイ女の人には感銘を受けます。曾祖母は旦那が戦死したのでこの世代にしては子供が少なく、その数少ない息子は定年後に再就職したり嫁も定年前だったりでまだ働いており、仕事の都合で同居はしていないという設定でした。説明不足で申し訳ないです。
 この話は(上の方へのお返事にも書いているように)好きな相手を絶望させて大喜びすることができちゃう阿含の残酷ぶりを描きたかったんです。子供特有な性質にも見えますけど、そこは逆に過剰に罪悪感を感じてしまう雲水と対比させれば異質さが際だつかなーと。なので「悪ガキの範囲内」といわれてしまうとは意外な反応でございます。もしかしてこのくらいの子はフツーに存在する!? ぬるかったか……(笑)。
 手に入れる手段を描くのがメインで対象への執着の度合いには言及しなかったので、たしかに兄弟の範疇にも見えますね。この話ではどちらでもOKです。うふふ。人間なんにでも適応しちゃうものですから、けっこうこの関係でも幸福を見出してしまうかもしれないですよ>雲水。依存できれば気持ちいいですし。もちろん抜けだそうともがくのもアリです。続きはとくに考えてませんでしたが、妄想しだすとどちらも美味しそうでやめられない止まらないって感じですね。
 捏造した家族(曾祖母)が少し目立ちすぎかなと思っていたので、好意的に受けとっていただいたお言葉がとても嬉しかったです。来年から隠し部屋に置くつもりでしたが、年齢制限のない内容ですし、こちらだけは「展示」に残しておこうと考え直しました。ぜんぜん存在に気づかなかったから告知しないと勿体ないというお言葉も別の方にいただきまして……。
 いつもメールの内容が深いので、そこから妄想を膨らますことができて楽しいです! ありがとうございました。
(2005.12.12 追記)

【 2005.11.19 up キリリク20000→「阿含か雲水が秘密を持つ話」  桑原様のみフリー  低温カテシスム 管理人:娃鳥 】  .


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